【休み前夜】
明日の休みは
「朝の2時間だけサクッと釣りをして、渓流で淹れたてのコーヒーを飲む」
これ以上ない完璧なロマンあふれる休日プランが完成した。
【AM 3:00】
アラーム音とともに覚醒。漆黒の暗闇の中、一路、山奥の渓流へ。
【AM 5:00】
川に到着。日の出とともに黄金色の水面へキャスト開始!

しかし、現実は甘くない。
1匹も釣れないまま焦燥感だけが募る
そろそろタイムアップかと思われたその時!
ヒット!
手元に伝わる強烈な手応え。
しなるロッド。

激しい引きに耐え、釣れたたのは……
なんと30cmオーバーの貫禄あふれる「尺イワナ」!!
「やった……やったぞーーー!!!」

そして、朝日を浴びて輝くイワナと、至高の一杯のコーヒー。

人生最高の一瞬…
【AM 5:00(現実)】
「……ん?」
ふと気付くと、視界にあるのは川のせせらぎではなく、見慣れた我が家の天井。
スマホの時計は……午前5時00分。
え、イワナは? 川は?
てか俺、家にいるじゃん!
完全なる寝坊。
出発すらしていない。
尺イワナの余韻は一瞬で消え去り、手元に残ったのは「準備された釣り具」と「ただの早起き失敗した休日」という切ない現実だけだった。
【AM 6:30】
気を持ち直し、メダカの水換えに着手。
「暑くなる前に終わらせるぞ!」と意気込んだものの……
つい見ちゃうよね

今年の種親、圧倒的オーラを放つ『竜章鳳姿』。

「はぁ……やっぱり格好いいわぁ……」
作業の手を止め、横見容器に入れてじっくり鑑賞タイム。

しかし、これがすべての引き金だった…
【AM 6:45】
ツルッ。
静寂を切り裂く、プラスチックが地面を叩く激しい音。
スローモーションになる視界。
弾け飛ぶ水と、勢いよく溝の闇へと吸い込まれていく竜章鳳姿たち。
「あぁぁぁぁぁッッ!!???」

なりふり構わず溝にかぶりつき、必死のレスキュー作戦を決行。
泥にまみれながら奇跡的に3匹を奪還したものの……
無情にも2匹が闇の奥へと消えていった。
【結末】
「頼む夢であってくれ……!!」
天を仰ぎ、必死に祈りを捧げたが……手に残る泥の感触と、足元に転がる虚しい空容器。
残念ながら、目は覚めませんでした。
リアルだ
これは現実だ
どうせなら、イワナが現実、メダカが夢、逆だったなら良かったのに
1日に2回、絶望を味わった休みの日でした。
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